――看護師としてのキャリアを見つめ直すためのリアルガイド
はじめに|「訪問看護って実際どうなの?」という疑問から
病院勤務を続ける中で、こんな思いを抱いたことはありませんか。
- 夜勤や不規則な勤務に疲れてきた
- 患者さん一人ひとりと向き合う時間が足りない
- 看護師としてのやりがいを見失いかけている
- 将来もこの働き方を続けられるか不安
そうした中で、訪問看護ステーションへの転職を検討する方は年々増えています。
一方で、
- 「訪問看護は大変そう」
- 「一人で判断するのが不安」
- 「給料は下がらない?」
といった不安の声も多く、
訪問看護に対して“良いイメージと悪いイメージが混在している”のが現状です。
このコラムでは、訪問看護ステーションで働くメリットとデメリットを包み隠さず整理し、
自分に合った働き方かどうかを見極める材料を提供します。
訪問看護とはどんな仕事か|前提を整理する
訪問看護とは、看護師が利用者の自宅を訪問し、医師の指示書に基づいて看護を提供する仕事です。
行う業務は、
- バイタルチェック
- 点滴・注射・褥瘡処置
- 服薬管理
- リハビリの補助
- 医療機器の管理(在宅酸素・人工呼吸器など)
- ご家族への介護指導・相談対応
など多岐にわたります。
最大の特徴は、**「病院という管理された空間ではなく、利用者の生活の場で看護を行う」**という点です。
この前提を踏まえたうえで、メリット・デメリットを見ていきましょう。
訪問看護ステーションで働くメリット
1. 夜勤がなく、生活リズムが安定しやすい
訪問看護の最大のメリットとして挙げられるのが、夜勤がない、または非常に少ないことです。
多くの訪問看護ステーションでは、
- 日勤のみ
- オンコール制(当番制)
という勤務形態を採用しています。
病院のような、
- 深夜帯の勤務
- 交代制による生活リズムの乱れ
がなく、心身への負担が大きく軽減される点は大きな魅力です。
特に、
- 子育て中の看護師
- 家族の介護と両立したい方
- 年齢を重ねて体力的な不安が出てきた方
にとって、訪問看護は現実的で続けやすい働き方と言えます。
2. 一人ひとりの利用者とじっくり向き合える
病院では、
- 多忙な業務
- 人手不足
- タイムスケジュールに追われる日常
の中で、どうしても「流れ作業のような看護」になりがちです。
一方、訪問看護では、
- 1回30分〜60分
- 基本的に1対1
で利用者と向き合います。
- 表情の変化
- 生活環境
- 家族関係
- 精神状態
まで含めて看護できるため、
「看護師として本来やりたかったことができている」と感じる人が非常に多いのが特徴です。
3. 人間関係のストレスが比較的少ない
病院勤務でよく聞かれる悩みが、
- 上下関係
- 医師との力関係
- 委員会や雑務
- 職場内の人間関係
です。
訪問看護では、現場では基本的に一人で行動するため、
- 常に誰かと一緒に働くストレス
- 周囲の目を気にする環境
から解放されやすくなります。
もちろんチームワークは重要ですが、
人間関係に悩んで転職してくる人が多い分、職場の雰囲気が穏やかなステーションも多い傾向があります。
4. 看護師としての判断力・成長を実感しやすい
訪問看護では、
- 状態変化への気づき
- 緊急時の初期判断
- 医師や多職種への報告・連携
が日常的に求められます。
最初は不安を感じる方も多いですが、
経験を積むことで、
- アセスメント力
- 判断力
- コミュニケーション力
が確実に身についていきます。
「指示を待つ看護」から
「自分で考え、動く看護」へステップアップできる点は、訪問看護ならではのメリットです。
5. 看護師としての存在価値を強く感じられる
訪問看護では、利用者や家族から直接、
- 「来てくれて安心した」
- 「あなたがいてくれて助かる」
という言葉をもらう機会が多くあります。
病院では感じにくかった
**「自分の看護が誰かの生活を支えている実感」**を得られることが、
訪問看護を長く続ける人が多い理由の一つです。
訪問看護ステーションで働くデメリット
ここまでメリットを紹介してきましたが、
訪問看護には決して軽視できないデメリットも存在します。
1. 一人で判断するプレッシャーがある
訪問看護では、基本的に一人で利用者宅を訪問します。
- 病状の変化
- 転倒
- 急変の兆候
に気づいたとき、
その場で一次判断をしなければならない状況も少なくありません。
もちろん、
- 管理者への連絡
- 医師への相談
は可能ですが、
「常に誰かがそばにいる」環境ではないことは理解しておく必要があります。
2. オンコール対応が精神的負担になることも
多くの訪問看護ステーションでは、オンコール体制を取っています。
- 夜間・休日の電話対応
- 必要に応じて緊急訪問
オンコールの頻度や実際の出動回数はステーションによって大きく異なりますが、
「いつ呼ばれるかわからない」状態がストレスになる人もいます。
オンコールが苦手な方は、
頻度・手当・実態を必ず事前に確認することが重要です。
3. 天候や移動の影響を受けやすい
訪問看護は、
- 雨
- 雪
- 猛暑
といった自然条件の影響を直接受けます。
移動手段が自転車・原付の場合は、
天候による身体的負担を感じることもあります。
4. 生活背景が複雑なケースに関わることが多い
訪問看護では、
- 経済的に困窮している家庭
- 家族関係が複雑
- 介護疲れが深刻
といった、医療だけでは解決できない問題に直面することもあります。
医療行為以上に、
- 傾聴
- 共感
- 調整力
が求められ、精神的に疲れる場面も少なくありません。
5. 給与・評価制度に差がある
訪問看護の給与は、
- 病院と同程度
- 病院よりやや低い
- インセンティブ制で高収入
など、ステーションによって大きな差があります。
- 訪問件数のノルマ
- 評価基準の不透明さ
がストレスになるケースもあるため、
条件面の確認は非常に重要です。
訪問看護に向いている人・向いていない人
向いている人
- 一人で考え行動することに抵抗がない
- 人と深く関わることが好き
- 生活全体を見る看護がしたい
- ワークライフバランスを重視したい
向いていない人
- 常に誰かの指示が欲しい
- 判断を任されるのが苦手
- 移動や環境変化がストレスになる
- 人との距離感を保ちたい
まとめ|メリット・デメリットを理解した上で選ぶことが大切
訪問看護ステーションで働くことは、
- 自由度が高く
- やりがいがあり
- 看護師として成長できる
一方で、
- 判断の責任
- オンコールの負担
- 精神的な大変さ
も伴う仕事です。
大切なのは、
**「良い面だけを見るのではなく、自分の価値観やライフステージに合っているか」**を考えることです。
訪問看護は、
合う人にとっては「一生続けたい仕事」になり得ます。
このコラムが、
あなたが後悔しないキャリア選択をするための一助になれば幸いです。
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